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病気の話

心房中隔欠損症について よくある質問(Q&A)

心房中隔欠損症

心房中隔カテーテル治療について(循環器疾患治療部 赤木医師 担当)


心房中隔欠損症について

心房中隔は心臓の中の右心房と左心房の間を隔てる壁です。この壁のどこかに何らかの理由で穴が開いている状態を心房中隔欠損症といいます。心房中隔欠損症では左心房から右心房へと血液の漏れが生じるため、結果として肺に流れる血液が通常よりも多くなり、肺に血液がたまった状態(この状態を肺うっ血といいます)となります。すなわち呼吸が荒い、風邪にかかりやすい、体重が増えない、運動が長続きしない、などの症状が出てきます。重症の場合には、新生児や乳児の時期に呼吸困難を生じ手術が必要となりますが、ほとんどの場合、症状は軽く自覚症状もありません。しかしながら、これまでの経験から年齢を増ごとに、動悸、息切れ、脈の乱れなどがだんだん明らかになり、30歳を過ぎたころになると、ほとんどの人で手術による治療が必要となってきます。


アンプラッツアーセプタルオクルーダーについて

アンプラッツアーセプタルオクルーダーはニチノールと呼ばれる特殊な金属(形状記憶合金)の細い線から作られたメッシュ状の閉鎖栓です。左図のような形をしており、真ん中の部分がくびれた形をしています。両側の広がった部分(ディスク)とくびれた部分(ウエスト)には、特殊な布(ダクロン)が縫い付けられています。この布は、心臓の手術の時に利用されるものと同じ成分です。このくびれた部分を心臓の欠損孔の部分に合わせるように入れて、左右の広がった部分で穴の両側から挟みこんで、穴を閉じます。 この閉鎖栓を使った治療は、8年ほど前から欧米を中心に始まり、これまでに5万例を越える治療が行われてきています。これまで手術によって開胸を伴う外科的な心房中隔欠損の閉鎖術に代って、患者さんの負担を少なく、かつ安全に行える有効な方法として考えられています。


カテーテル治療の実際について

この治療法は、通常のカテーテル検査と同様な方法で行われます。カテーテル操作中には体が動かないように手術の時と同じように人工呼吸器を使った全身麻酔を行います。閉鎖栓が心臓の目的の部位にきちんと留置できているかどうか、レントゲンによる透視像と経食道心エコー(胃カメラのような管にエコーの機能がついた装置)をつかってモニターしながら、安全を確認して留置します。治療後は血栓症予防の薬(アスピリン)を1日1回、6ヶ月間服用していただきます。




この治療を受けた後に1~2日入院していただき、胸部レントゲン、心電図、心エコー検査を受けていただかなければなりません。入院期間はこの治験のために延長されることはありません。これらの検査は治療後3ヶ月、6ヶ月、1年後、その後は1年に1度、最終的に治療後5年間受けていただき、安全に治療が行われたかを確認します。これらの検査は、医師の問診を含め通常行っている検査と同様です。

この治療の利点と欠点

この治療法の優れた点は、人工心肺を用いる外科手術を行わずに心臓の穴をふさぐことができることです。手術による胸の傷は避けられます。心臓手術では約10日間の入院が必要となりますが、この治療法では2~3日間の入院ですみます。この治療法では、輸血が必要になることは通常ありません。 この治療法の欠点は、すべての心房中隔欠損症が治療できるわけではないことです。穴の大きさが大きい場合(直径40mm以上)や穴の位置が一方にかたよっていて閉鎖栓を入れるには適していない場合、穴が複数個開いている場合には、この方法による治療は難しくなります。また治療を行うことができた場合にでも、わずかな血液のもれが残る場合があります。 閉鎖栓がうまく留置できない場合には、治療の途中であれば安全に引き戻すことが可能です。万一引き戻せない場合、または留置した後体の中で位置がずれてしまった場合には、閉鎖栓を取り除くために緊急に外科手術を必要とすることもあります。このようなことがないよう、担当医師は万全の注意を払って治療を行います。


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